伝統のふろしきを新しい発想と先端技術でリデザイン

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伝統のふろしきを新しい発想と先端技術でリデザイン

越後妻有で古くからきものの里として栄えた十日町市で、きものの総合ケアと販売を行っている会社「株式会社きものブレイン」が募集しているのは、「ふろしき」のデザインです。ロフトワークの林千晶が、きものブレイン代表の岡元松男氏に、同社の独自性や、クリエイターとのコラボ企画に対する期待などを伺いました。

「ふだんから気軽に着られるきもの」という発想


林千晶(以下、林): 岡元さん、まずはきものブレインさんがどんな会社なのかを教えていただけますか?

岡元松男氏(以下、岡元氏): 1976年に呉服販売業として創業しましたが、きものを購入された方が「汚すと大変だから」といってよほどの特別な時でないと着なかったり、また、大切なきものを汚してしまって困っている方がたくさんいらっしゃるということに気づきました。
そこで1983年からきもののアフターケア事業を開始しました。1988年には株式会社きものブレインを設立し、きものの販売よりも、きものの加工が本業となりました。

林: 御社は、新しい発想と斬新な技術で、きもののリデザインに取り組まれているとうかがっています。

岡元: かつてきものはお嫁入りのときに持参する高価な品物でしたが、その風習は廃れています。しかし一方では、逆に日常的にきものを着たいと思っている若い女性が増えています。そこで、「これからきものを着てみたい」と考えている方のために考えたのが、フィット仕立てのきものです。これだと、まるでジャケットを着るような感覚で、約3分で着ることができます。一日中動き回っても着崩れすることがありません。また、あらかじめ自分好みの帯姿に仕立てておく帯もあり、これなら約2分で帯結びができます。

もともとは初心者向けを想定した製品でしたが、実際に販売されると、毎日のようにきものを着ている茶道や華道の先生方にも大好評でした。こうしたきものや帯が、いま、ものすごい勢いで広まりつつあります。

林: 「いまの人たちが、いまの生活の中で、きもののよさを見直す」という、そういう流れの中で、きものの文化がもう一回日本に生まれるとしたら、それはものすごく価値のある一歩になりますね。

古くから伝わってきている文化が、いまの生活スタイルとちょっとずつズレてきているということはよくあることですね。名産品・伝統工芸も、時代の変化にそっていかなければ、わたしたちの日常生活と乖離(かいり)した「一部でしか見られないもの」になってしまいます。こうした伝統的なスタイルのモノが存続するための変化が求められていますが、同時に変化することによって新しい価値が出てくるのではないかと思います。

岡元: そうですね。かつて敷居の高かったきものですが、いまはだれでも簡単に、しかも美しく着こなせます。「きものを着ること」を気軽に楽しめるようになったのだと思います。

和の伝統×最先端のテクノロジー×強烈な新発想


林: 今回、ふろしきのデザインを公募するにあたり、クリエイターさんに期待していることは何ですか?

岡元: ぼく自身、新しい技術であるとか、「いままでに無いもの」に挑戦してきました。従来の発想ではなく、ハッとするような、心を鷲づかみにされるようなデザインがあったらおもしろいですね。まったくいままでと発想をがらっと変えた、「それ自体が生きている」というか、強烈なメッセージを見る人に与えるものが欲しいと思っています。

わたしどもは「インクジェット染色」という技術を使っています。現時点で識別できる色は5万6000色。5万6000色を1枚の布に1度で表現できる。
ということは、クリエイターが形にしたデザインを、100%そのまま布の上に表現できるということです。今年の大地の芸術祭に向けて、アーティストの草間彌生さんにもふろしきをデザインしていただく予定です。

実は昨年も、「あなたのデザイン買います」プロジェクトと題して、全国のデザイン学校や大学のデザイン学科に案内を出して、学生さんからデザインを公募しました。優秀なデザインは買い取って、テキスタイルに活かしていこうという発想です。田舎の会社ですが、少し変わったことをやってます(笑)。

地域に根ざしたものを「リデザイン」する


林: 越後妻有には、地域に根ざしたいいものがたくさんある。だけど、その中には時代の流れと少し距離ができてしまっているものも少なくありません。「Roooots 越後妻有の名産品リデザインプロジェクト」でクリエイターがそれらを新しい発想でリデザインするのは、「どんなふうに商品がもう一回生まれ変わるのか?」という試みでもあります。

ロフトワークは設立当初から、クリエイティブというものは、権威をもった人だけが「いい/悪い」を決めるものではなく、「それを欲しいと思った人がお金を払って、それが価値になる」と考えてきました。だからロフトワークは登録を希望するデザイナーを審査しませんし、ランクづけもしません。上限関係ではなく、Peer(同等・仲間)なんです

今回の「Roooots 越後妻有の名産品リデザインプロジェクト」も、集まったデザインは、フラットにオープンに見せます。それが口コミで、どんどん広がりをもっていく。──そういう流れを今回のプロジェクトで作れたらいいなと思っています。

岡元: そういう面でも、クリエイターの斬新な発想と、われわれが持つ技術のコラボレーションで、ここ越後妻有からおもしろい発信ができるのではないかと思ってます。

林: クリエイターの皆さんには、岡元さんに「ハッ」としてもらえるような作品をエントリーしてもらえればと思います! 岡元さん、お忙しい中、ありがとうございました。
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